継花10

水彩色鉛筆で描いてます

継花10

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あじさい

 

 

梅雨の晴れた日 二人で北山のある所に来ていた 目の前に広がる咲き誇る花
雨上がりの空は キラキラした青い色 また明日からは雨になるだろうけど

「あじさいきれいですね、泰継さん」
泰継は優しく花梨を包み込み、空いている片手で花梨の手のひらと合わせほほえんで
「ああ、寒くは無いか」
「はい、っさむくないです///今日、晴れてよかったですね」

二人きりの状況に ちょっぴり赤くなりながら答える
  えーっと何か話題 そうだ!
「あじさいって 薬草ですよね」

長く生きてきた泰継にはとてもたくさんの知識が詰まっている、さすが亀の甲より年の功☆
龍神の神子をしてたときは泰継の作る薬湯にとても助けられていた だが
  良薬は口に爆発的に苦かった。主治医よろしく泰継は飲み終わるまでじっと待っているのだ
残せなくて すっごくがんばったことを思い出す

「そうだ、花と根を乾燥させて、煎じて飲めば解熱の効果がある」
「そうなんだ 葉っぱは違うんですか?」
「違う、葉には毒があり吐き気や嘔吐、下痢、場合によっては死に至る事もある」
「薬草なのに葉には毒があるんですね」
「ああ、使い方、量、食べ合わせ、を間違えれば薬は毒にもなる」
(やっぱりすごいな〜いろいろ知っててさすが泰継さん)

・・・ポトッ・・・ 心の中で惚気ていると頭に何か落ちてきた
「!!!っきゃ なっ 何?!」
びっくりして頭から落とそうと左右に頭を振る
「花梨、落ち着けカエルだ」
髪についたカエルを捕ってみせる
「あっ、ほんと もうびっくりしたじゃない」
言いながら指でつつく (かわいい)
・・・ぴょん・・・

「行っちゃった。なんで頭に落ちてきたのかな」
「お前の暖かな気に惹かれたのだろう、私のように 何者がお前に惹かれたとしても誰にも譲るつもりはないがな」
「泰継さん///」
後ろから回された手 見上げれば優しく微笑みながら近づく顔そして
そっと口付けがおとされた。